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「わたしの死を泣かないでください」

サッコ・ヴァンゼッティ冤罪事件

「わたしの死を泣かないでください」

「わたしの死を泣かないでください」

サッコ・ヴァンゼッティ冤罪事件

藤澤房俊 [著]

2023.6  四六判 / 256頁  ISBN: 9784867231326

2,640(本体2,400円)

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1920年代前半のアメリカ社会には、ロシア革命で高まった「赤への恐怖」による思想的偏見と、マーノ・ネーラ(マフィア)の犯罪と低賃金で働くイタリア人移民にたいする民族差別が交錯する社会的ヒステリー現象が覆っていた。
 そのアメリカ社会の濁流にサッコとヴァンゼッティは巻き込まれ、木の葉のように翻弄され、電気椅子で死刑となった。二人の、無辜のイタリア人が死刑となった、いわゆるサッコ・ヴァンゼッティ事件は、「アメリカのドレフュス事件」と呼ばれ、世紀のフレームアップとして、世界中で、もちろん日本でも大きな抗議運動を惹起した。
 本書は、サッコとヴァンゼッティの命が権力によって絶たれた経緯を、裁判記録と残された書簡で明らかにし、その根源的な意味を問う。


〈目次〉
はじめに
Ⅰ 二人のイタリアでの生活
Ⅱ 「自由の国」の現実
Ⅲ 二人の裁判の経緯
Ⅳ 二人の裁判の実体
Ⅴ 死刑執行までの戦いと苦悶の日々
Ⅵ 死刑執行後の動向
おわりに──「わたしはレイシストではない」と言うのは簡単だ
あとがき
参考文献
図版出典
著者略歴

●著者略歴●
藤澤房俊
1943年生。早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。東京経済大学名誉教授。